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ゆうくんのからだのこと (2)

前の記事の続きです。

カメラが好きとはいえないゆうくん、撮影用に笑い疲れて、ちょっとご機嫌斜めなようです。

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(口をつむっているゆうくん。歯を処置していただく以前はほとんど撮れなかった写真です。)

あらら、ついに怒りだしちゃった…

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…とうとう、こてんと寝てしまったゆうくんなのでした。








では、ゆうくんが飽きて寝てしまったので、
ゆうくんのからだのお話に戻ります。


ゆうくんがうちに来る前の9年間は、いわば「ブラックボックス」で、
詳しいことはよくわかりません。

写真をご覧いただいてお気づきの方もおられるかもしれませんが、
ゆうくんの右の前足の先は、少し曲がっています。
引き取る時にお目にかかった、
2年間の「お留守番時代」の面倒を見ていたシッターさんにお尋ねしたところ、
気づいていなかったとのことでしたが、
うちに来てから、複数の獣医さんにお訊ねしたところ、
「レントゲンを撮らないとはっきり言えないが、
ほぼ間違いなく、骨折してそのまま固まったのだろう」とのことでした。
(後に書く病気のため、麻酔をする手術は難しいため、レントゲンは撮っていません。)
ややぎこちないながら普通に歩きますが、走るのは無理なようですし、
歩くだけでもすぐに疲れるようで、すぐに立ち止って、この足を上げて、振るようなしぐさをします。

それからこれはお留守番生活が精神面に影響したのだと思いますが、
強度の「分離不安」です。
ちょっとでもママの姿が見えないと、寝ていても飛び起きて、
くるったように吠えて探し回ります。

こうした行動は、「だいじょうぶだからね、ゆうくんはひとりじゃないからね」と根気よく言い聞かせて、
すこしずつでもときほぐしてあげたいと思います。






さて、あえて一番最後にもってきましたが、
何日か前の記事のランキングバナーの添え書きに書いた、
「川野先生からうかがった、ゆうくんに関する重いお話」について書かないといけません。

迎えるときの申し送りで、こう言われました。
「この子はてんかんの気がありますが、それほどひどくないので薬は飲んでいません。
 獣医さんは、“寂しくて気を引こうとしてててんかんのフリをしているかもしれない”
 と言ってます。」
(川野先生に「犬がてんかんのフリをするなんてあるのでしょうか」とお尋ねしたら、
 一笑に付して「あり得ない」と断言されました。)


ポメもデュークもてんかんではありませんでしたから、言葉通りうかがって、ゆうくんを連れ帰りました。

「それほどひどくない」なんて、とんでもありません。

うちに来た直後から、発作は何度も出ました。
それも日に何度も。
「てんかんの発作」に初めて対峙する私たちは、驚き、戸惑うしかありませんでした。

身体の奥底から突き上げてくる、御しがたい「何か」に突き上げられ、
それと必死で闘い、身体を震わせるゆうくん。

1年たった今でも、正視するのは辛いですが、励ましながら見守ります。

程度もだんだんひどくなってきて、失禁したり、失神したりするようになったので、
前の病院で相談して、投薬が始まりました。
しかし発作は収まりません。
薬の量はだんだん増えていき、
ゆうくんの体重からすると多すぎるレベルになりましたが、
発作は日に何度もありました。
先生のお話では、薬でうまく抑えられれば1週間に1度くらいになるはず、とのことでしたので、
要するにまったく薬の効果はなかったのです。

そしてプリモ動物病院に転院。

川野先生は、それまでの薬はゆうくんには多すぎると減らし、一方でもう一種類の薬を追加して処方されました。
最初の何日か、発作がほとんどなくなり、「やった!」と思ったんですが、
一方で追加した薬の副作用で一日中、酩酊したような状態になり、ずいぶん心配しましたが、
これは次第に収まりました。

しかし、発作は減りませんでした。

ある日の発作の様子です。

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同じ病気をお持ちのわんことお暮らしの方にはお辛いかもしれませんが、
何かのご参考になればと思い、掲載させていただきました。

失禁までともなう重い発作こそほとんどないものの、軽い発作はほとんど一日中。
特に朝、起きるときが多いのです。
分離不安のゆうくんは、ママと一緒に寝ているのですが、
おおきな物音でママが飛び起きると、発作を起こしてベッドの下に落ちていたり。
(幸い、今まではけがなどはありませんでしたが)

一方で、「突然怒り出す」などの奇行も目立つようになりました。

「何かおかしい、ただのてんかんではないのではないか?」

川野先生にご相談したところ、先生も薬の効果が上がらないため薄々感じておられたのか、
ゆうくんを抱くと、足先を内側に曲げてテーブルにつかせ、ゆうくんが戻す反応を調べ始めました。

そして、厳しい表情でこう言われたのです。
「この子のてんかんは、おそらく脳腫瘍など、脳のなんらかの病気が原因になってる可能性が高いと思います。」




脳腫瘍…





そして、MRIで検査をすれば原因が特定できるが、麻酔が必要で、てんかんの子には麻酔は危険。
仮に病因がわかったとしても、脳手術は不可能。
同じ理由で、歯も治してあげたいけど、麻酔して抜歯すれば手術中に亡くなってしまう危険が高く、
麻酔なしで抜歯することもあるが、この子は興奮しやすい性格なので、それも無理、
てんかんの原因が脳腫瘍だとしても、現在飲んでいる薬は発作を和らげる効果はあるので、
飲む意味はある、とのお話でした。

実は前の病院でも可能性としては指摘されていましたが、その時は川野先生がなさったようなチェックはなく、
薬の量が増えるだけでした。


脳腫瘍はともかく、なんとか歯だけでも苦痛を取り除いてあげられないだろうか?

そう思って、すがるような気持ちで、布川先生をお訪ねしたのでした。

先生は、足先の反応を手早くチェックすると、てんかんの原因については
川野先生の診断に同意されました。

そしてこう言われたのです。
「この子は頭の中の違和感、歯の痛みを常に感じ、“いっぱいいっぱい”な状態なんですよ。
 だから、ちょっと嫌なことをされるだけでキレてしまうんです。」

曇り空がサーッと晴れるような思いでした。
先生は、ゆうくんと話ができるとしか思えない明快なお言葉。

そして、「抜いちゃいましょう」のひと言で、麻酔なしで歯の苦痛を取り去ってくださいました。

本当にありがたかった。

その後もゆうくんは相変わらず怒りんぼうですが、
キレるまでの許容範囲がちょっとだけ広がったようにも思います。





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ある朝、ひとしきり発作に見舞われ、やっと落ち着いたゆうくん。

涙目です。


判明した事実はとても重いですが、
大切な大切なゆうくんが少しでも楽しく暮らせるよう、慈しんでいきたいと思います。

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ゆうくんに「ぽち」っとパワーを送ってあげてくださいね。
お願いします。


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by pomedukeyu | 2011-07-02 22:28 | ゆうくん